正常化のバイアス2
2019 台風19号 大きな被害を出しました。
正常化のバイアスについて–は先日書いたばかりですが、台風が去ったことを受けて感じたことを書かせて頂きます。
まず最初に、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方の一日も早い日常生活への復帰を御祈念致します。
特別警報が、東京都で初めてだされるなど、とにかく甚大な被害をもたらした19号でした。
多くの方が、買い出ししたり、飛びそうな物の除去固定をしたり、不要な外出を控えたりと、もしもに備えてい無ければ、もっと被害は拡大したのかも知れません。
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おっさん、実は良く分かっていなくて、先日、千葉を襲った台風のイメージがあったので、とにかく風の被害がヤバいんだと思っていました。昨年の大阪を襲った台風もそうでしたよね。
最大週間風速も、60m以上と言われていたのと、ほぼ台風の進行方向の中心付近に自宅があり、(ウェザーニュース社のアプリによると、最接近時10km以内という事でしたので)身構えて時を過ごしていました。
家の側には、二本の電柱や高圧線鉄塔もあるので、場合に寄っては倒れるだろう。もしかしたら、家も被害を受ける(ただし、接近時は、風向きから言って家には当たらない)、そうで無くても、停電は免れない。実際、その予報もされていた。との、認識から、18時前には全員風呂を済ませ、その後食事も済ませました。
ところが、聞こえてくるのは、大雨のことばかり。確かに、箱根で1000mmを越える降雨、これって10mですよ! 大変なことになっていたわけなんですが、鷹揚に構えていました。
緊急エリアメールで、市役所から多摩川に面する市内の一部の地域に避難勧告が出されたり、とどめは国交省から、多摩川の氾濫にかんする注意喚起が届くに当たって、あれ、雨が大事なんだという認識にやっと切り替わりました。
おっさんが、慣れ親しんだ多摩川。岸辺のアルバムで有名な狛江の堤防決壊がありましたが、あれは、河川内の人工物による影響も大きかったはずで、純粋に決壊したとは言えなかったように記憶しています。
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それ以外は、多摩川で水害があったとは一切認識がありません。実際にはあったのかも知れませんが... おっさんにとっては、凄く親しみがあるいわば母なる川なんです。
その多摩川が、越水する、氾濫するなんて驚き以外の何物でもありません。しかも、数カ所で、その可能性が生じ、いずれもなじみのある地域なので、とにかくビックリでした。
ああ、でも、当初は狛江地区もその区域に入っていましたね。それが、最終的に河口近くの世田谷・川崎の氾濫です。にわかには、信じられない事実でした。
それと、立川と日野を結ぶ日野橋が損壊し、場合に寄っては崩落危機となったのも驚愕でした。
結果から言うと、家付近は強風がそれほどでも無かった、丘の途中に家があるので、水による被害も一切無かったと、完全に無傷だったのですが、多摩川の氾濫には参りました。
その意味で、恥ずかしながらおっさんは、台風で、危険という事を初めて実感しました。
その他、浅川の氾濫危機とか城山ダムの緊急放水とか、なじみがあるものだけに、とにかく災害の危険を強く感じたのだと思います。
被害の復旧までには、まだまだ、時間がかかると思いますが、実は気になることがあるんです。
今回、備えをした方々の圧倒的多数が、おそらく物理的にも身体的にも無傷であったのではないかと思います。おっさんもその一人です。
考えてください。数十年に一度の、被害をもたらす危険性MAXの台風を無傷で過ごせてしまったのです。
そうなると、普通の規模の台風は、全く全然だとか考えてしまいませんかね? だって、数十年に一度の台風なんて、おっさんは、もう遇うことが無いはずですから。
となってしまうと、逆に、正常化のバイアスが強化されてしまったことになります。おっさん、これが恐いんです。
考えてみてください、60年間生きて来て、初めての気象事象が、ここ数年立て続けに起こっています。大雪、大粒の雹が降る、異常な猛暑、そして今回のスーパー台風。
つまり、過去何十年かの平均値からすると異常になる物が、今後は普通になっていく。にもかかわらず、人間は過去の経験値から考える。となると、やっぱり被害がでしょうです。
おっさんは、とにかく大事として考える、あるいは、最悪の事態を考えて行動するを座右の銘にして、今後の短くなった人生を歩こうという思いを強くした台風でした。