『ケーキの切れない非行少年たち』
肌では分かっていたように思っていましたが衝撃を受けました。
おっさん、仕事の関係上、心理系の本を読む機会が非常に多いです。というか、多分好きでたくさん読んでくるのだと思います。
人の行動の何故に、一定の解釈は付くと、真偽の程は別にして落ち着いていられるのだと思います。
まあ、いろいろなことに理由付けをしないと生きていけない臆病者なのかも知れませんね。
さて、表題の本の中身については、当然詳しく触れられませんが、タイトルのケーキが切れないとはどういう事なのかというと、ホールのケーキを三等分出来ないという事なのです。
エッて、思われるかも知れませんが、おっさんの肌感覚とも合います。
かつて、もう20年以上前になりますが、地球の下側ににいる人は、頭に血が上らないのかと真面目に聞いた高校生を知っています。
また、軽微な犯罪を繰り返し刑務所に入る人の中には、知的障害や発達障害の方がいると聞いたことがあります。
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そこら辺を、この本を読んでやたら合点がいきました。
良く教育の現場ななどで、なんで分からないのとかなんで出来ないのとかいう場面って想像できると思うのですが、こういうことを言う方にこそ読んで欲しい本です。
そもそも分かる人・出来る人には、「分からない出来ないが、分からない」んだと思います。
考えてみて下さい。小学校に入るときに就学時健診てあると思いますが、ここで極端に知的な能力が低いとなれば、特別支援学校を薦められると思いますが、大体、IQにして75以上あれば、普通に小学校に通う事になります。
そうすると、ほんのちょとした手助けがあれば、成績も上がったりしますし普段の暮らしで困ることはないのだと思いますが、それが無いと徹底的に自己肯定感が低くなって、取り組んでいるうちに出来る事も、どうせ出来ないと諦めて、益々、分からなくなるという循環になってしまいます。
この本では、分からないの原因として、認知機能の働きの弱さを指摘されていて、かつ、これを向上させる方法も紹介されています。
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試みとして、関わりがある青年中期の方々に、この認知機能のトレーニングのワークをやって貰いました。
すると、難なく正解となったのは、全体の8割くらいで、残りの方は正解を得ることが出来ませんでした。つまり、この集団の中では、2割の方の認知機能が弱いという事になります。
これとは、全く別に、娯楽として「シックスセンス」という映画を鑑賞したところ、この2割に当たる方々は、映画の中身を理解する事が出来ず、解説を要しました。
しかも、解説しても分からない方もおられました。
ただ、この方々も少なくとも表面上はごく普通に会話も出来ますし、冗談も通じたりします。まあ、長い文章を書くのが苦手だったり、考察はしたくないようですけど。
というわけで、いろいろと考えさせれれる本でした。
ちなみに、著者は違いますが、この流れで
『反省させると犯罪者になります 』岡本 茂樹 著 新潮新書 2013/5/17を読み終わり
今現在は、『いい子に育てると犯罪者になります 』岡本 茂樹著 新潮新書 2016/3/17を読んでいます。
を読んでます。
また、『ほめると子どもはダメになる 』榎本 博明著 新潮新書 2015/12/16をオーダーしてしまいました。
さてさて、どんな知見が得られるのか楽しみです。